確定申告とは、1年間の所得を計算し、納めるべき税金を確定させる手続きのことです。会社員は通常、年末調整で税金が精算されるため不要ですが、個人事業主や副業で一定の収入がある人は申告が必要です。ここでは、確定申告の基本的な流れを初心者向けに解説します。
確定申告が必要な人
確定申告が必要なのは、以下のような人です。
• 個人事業主・フリーランス
• 副業収入が年間20万円を超える会社員
• 不動産収入がある人
• 年収2,000万円を超える会社員
• 株や仮想通貨で利益が出た人
• 医療費控除やふるさと納税（ワンストップ特例未使用）を受けたい人
確定申告の期間
確定申告の提出期間は毎年2月16日〜3月15日です（※土日祝の場合は翌平日まで）。この期間に申告しないと、延滞税や加算税がかかることがあるので注意しましょう。
必要な書類を準備する
確定申告には、以下のような書類が必要です。
(1) 収入の証明書
• 会社員：源泉徴収票
• 個人事業主：請求書・売上台帳など
• 副業収入がある人：振込明細や支払い調書
(2) 経費の証明書（個人事業主・副業をしている人）
• 領収書やレシート
• クレジットカードの利用明細
• 家賃、通信費、交通費などの記録
(3) 控除に関する書類
• 医療費控除：医療費の領収書・明細書
• 生命保険料控除：生命保険料控除証明書
• 寄付金控除（ふるさと納税など）：寄付金受領証明書
申告方法を決める
確定申告は、以下の3つの方法で行えます。
(1) 税務署に直接提出
税務署で紙の申告書を提出する方法。相談しながら進められるメリットがありますが、混雑しやすいです。
(2) 郵送で提出
申告書を作成し、税務署へ郵送する方法。締切日に消印が押されていればOKです。
(3) e-Tax（電子申告）【おすすめ】
パソコンやスマホからオンラインで申告できる方法。還付金の振込が早いメリットがあります。マイナンバーカードか税務署発行のIDが必要です。
確定申告書を作成する
申告書にはいくつか種類がありますが、一般的なものは以下の通りです。
• 会社員・副業の人：確定申告書A
• 個人事業主・フリーランス：確定申告書B
作成手順
1. 収入と経費を計算する
• 事業の売上や副業収入を合計する
• 必要経費を差し引く（事業主のみ）
2. 所得控除を適用する
• 医療費控除やふるさと納税の寄付金控除などを計算
3. 税金を計算する
• 所得税の速算表を使い、税額を求める
4. 申告書を作成する
• 国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を使うと便利
申告書を提出し、税金を納める（または還付を受ける）
納税が必要な場合
• 銀行・ATMで振込
• コンビニ払い（QRコード）
• クレジットカード払い
• 口座振替（3月中旬までに手続きが必要）
税金が戻る（還付される）場合
• 確定申告後、1〜2ヶ月程度で指定口座に振り込まれます。
よくある質問（Q&A）
Q1. 副業のバイト収入は申告が必要？
→ 年間20万円を超える場合は必要です。超えなければ申告不要ですが、住民税の申告は必要になることがあります。
Q2. 領収書をなくしたらどうする？
→ クレジットカードの利用明細や銀行の振込記録で代用できます。メモを残しておくとよいでしょう。
Q3. 期限を過ぎたらどうなる？
→ 期限後申告は可能ですが、延滞税や加算税がかかることがあります。なるべく期限内に申告しましょう。
まとめ
確定申告は初めてだと難しく感じるかもしれませんが、以下の手順で進めればスムーズです。
1. 自分が申告が必要か確認する
2. 必要な書類を準備する
3. 申告方法を決める（e-Taxがおすすめ）
4. 収入や経費を計算し、申告書を作成する
5. 税務署に提出し、税金を納める（または還付を受ける）
特にe-Taxを活用すると、手続きが簡単になり、還付も早くなるのでおすすめです。毎年の作業を効率化するために、日頃から経費や収入を整理しておくことも大切です。
